『旋網(まきあみ)出漁!!』
 5月10日は、本島の”まきあみ”出漁の日でした。まきあみと
いうのは、個人漁と違い各家々の漁師さんが、2つの船団を
組み、一種の団体漁を行い、大きな「網」で魚の群れを包み
込むようにして獲る漁法です。福岡県では、この漁法は、
現在、大島と鐘崎でも行われているとの事です。つまり県の
漁協組織の中では、わずかに3カ所ということになります。
一時は、他の地域でも行われていたということですが、大き
な資本も必要だからでしょうか、今はこのように少なくなって
きております。
 さてこの”まきあみ漁業”ですが、小呂島では、5月からスタ
ートで、12月に終わります。(つまり1月から4月までが個人漁
お父さんいってらっしゃーい。
がんばってー。
ということになります。)この漁法が本島で採り入れられたのは、
昭和41年(1966年)ですから、もうすでに40年以上の歴史を
持っております。この漁法が始まった理由は、本島が玄界灘の
ど真ん中で、漁場に恵まれており、個人個人で漁を行うよりも、
いっそみんなで協力して大きな船で、大きな
網を深夜(夜の方が魚はとれるそうです。)幾そうもの船で引っ
張って採る方が、効率が良いということがあるのでしょう。それ
に加えてもう一つの理由(こちらの方が大切なのかもしれませ
ん)があったようです。
 それは年中、個人漁を行うと家族みんなが休む間もないという
ことです。1月から4月までの個人漁の期間は、今でも、誰一人 大漁待ってろよー。
24時間(といってもいい位)休んでいません。漁師さんは仮眠を
して夕刻には網立て、また仮眠して午前2時頃網あげ、未明に
は家族総出で、網からの魚はずし、そして出荷、文字どおり
”猫の手も借りたい”ほどなのです。勿論、学校が休みの時は、
小中学生も全員総出で一家を助けます。これが年中続いては、
とても大変なわけです。
 それやこれや、いろいろと考えがあって、この”まきあみ”漁
が、本島でもスタートしたと聞いております。
 出漁日の夕刻(今年は5月10日)「軍艦マーチ」と島の全女性
・子どもに見送られ、全船が玄界灘へ一気にくり出すのです。 無事帰ってきてねー。
 一晩中魚群を追って、ある時は大当たりで明るい顔、ある時
は、”スッタリ”(と云います)の暗い表情で、未明の小呂島漁港
に帰ってきます。昨年は不漁の年でした。今年こそ大漁をと願っ
て、子ども達もお母さん、おばあちゃん、おじいちゃんといっしょ
に力いっぱい出漁していくお父さんお兄さんの船を見送りました。
お兄ちゃん大漁待ってるよー。
お父さん無理せんとよー。 大漁ばんざーい。
あーあ、行ってしまった。