平成29年度テーマ研究方案

平成29年4月6日

テキスト ボックス: 自信をもって発表活動に取り組む子どもの育成
―振り返りや自分の考えを説明する場の設定を通して-
 

 

 Ⅰ 研究の基本的考え方

 1主題について

(1)主題設定の理由について

ア 学校の教育目標から

  本校の教育目標は「心身共に健康で,豊かな人間性を持ち,たくましく生きる力を身につけ,小呂島や自己を誇りに思う子どもの育成」である。目指す子ども像は「未来に輝き,たくましく生きる子ども」であり,本年度の重点目標は,「博多でもがんばれる力をつける教育」である。「自信をもって発表活動に取り組む」ことは,大人数でも自分の気持ちや考えを説明することにつながり,博多でもがんばれる力につながると考える。

 イ 地域の特性から

  小呂小中学校には,他の学校にない特色あふれる地域行事や学校行事がある。島民や保護者の願いから,こうした行事や学習を通して,学力だけではなく子ども達に島愛を育て,高校3年間を耐えうるコミュニケーション能力を身につけさせたい。一つ一つの活動で振り返りや自分の考えを説明する場を設定することは,受け身でなく目的意識をもって行動することにつながり,自分で考え,自信をもって発表活動に取り組むことにつながると考える。

ウ 子どもの実態から

本校の子どもは13名である。人間関係は極めて狭く,島の住民180名程は,ほぼ親戚か知り合いである。学校の子どもは幼い頃からずっと一緒に生活し,お互いに対して優しく仲が良い。しかし,お互いの性格や長所を理解しているが故に,自分の考えや感情を言葉に出して言う必然性があまりない。また,人間関係が変化しないために,発言する子どもが固定化し,自分の気持ちや考えをうまく人に伝えることができない子どもも見られる。進学する高校生活では環境の激変等様々な困難や人間関係に悩み,中退する子どもの割合は市内平均に比べてかなり多い。そのため,全ての子どもが自信をもって発表活動に取り組むようになることは,高校進学後もたくましく生きることにつながり,意義深いと考える。

 

 

 

(2)主題及び副主題の意味

自信をもって発表活動に取り組む子どもの育成

―振り返りや自分の考えを説明する場の設定を通して-

【主題の意味】

自信をもって発表活動に取り組む子どもとは,自分の考えや学習を通してできるようになったことを堂々と伝える子どもである。

テキスト ボックス: 【小学部目指す姿】…



【中学部目指す姿】…

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【副主題の意味】

 振り返りとは    ・・・子ども自身が自分の学びを想起し,評価する活動である。

             評価の理由を述べる際の視点

             (①自分の考えの変容→②どの活動・交流で変化したか)

 自分の考えを説明する場・・・分からないことを伝える なぜそう考えたかを伝える

 

 2 研究の目標

  「振り返りや自分の考えを説明する場」の設定によって,「自信をもって発表活動に取り組む子どもを育てることができたか」を明らかにする。

 

 3 研究仮説

  振り返りや自分の考えを説明する場を設定すれば,自信をもって発表活動に取り組む子どもを育てることができるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

島愛をもつ子ども

 

4 研究の構想

テキスト ボックス: 島民・保護者の願い 

 

 

 5 研究体制と仕事内容

様々な学校行事や地域行事,また部研・全研を中心とした日々の学習の中で,「振り返り」「自分の考えを説明する場」を設定する

○ 研究授業において…1年間の中で全員1回全研を実施します。ただし,自習体制が多くならないように,授業が入っている先生は参観・協議会に参加しません。(協議会に参加していただいても結構です。)

 

 

  Ⅱ 研究の実際 【昨年例】

 1 実践例テーマ研究

【小学部 道徳 「島ご飯」】

 

 

道徳「島ご飯」では,豊かな対話力として以下の2点を目指した。

①相手がどう考えているかを読み取り,自分の考えを深めること

②島のために自分にできることを発言すること

そこで,以下の2つの手立てを講じた。

(1)島ご飯を作るときの登場人物の気持ちについて相互支援を行うこと

(2)地域行事である三番叟という踊りで,実際に子ども達に教えた方を題材として取り上げたこと

すると,次のような姿が見られた。

  A児が「島がもっと良くなってほしい」という記述に対してB児が「どういうこと?」と問い返した。それにより,「泊まれるところとか売店とか暮らしやすくなる」と答え,かつなんでそう思ったの?」と尋ねられることで「そうすると入ったお金で他の商品も作れるかもしれない」などと説明し自分の記述を付加修正した。(写真1,ノート1)

  学校行事で島で作った商品を自分が販売する際に,「どんな思いで作っているか」を伝えたり,生活の中でゴミを拾ったりして自分なりに貢献したいという記述(ノート2)

   (ノート1)                (ノート2)

        

 

 問い返されることで内容を詳しく説明したり,「新しく商品を作ることができる」などと新たな考えを作ったりしたことは,漠然とした自分の考えを具体化したり関連したりした,考えを深めた姿だと言える。

 また,学校行事で島で作った商品を販売する際「学んだことを伝えたい」と記述したことは,自分の生活の中で生かす場を具体的に考えた姿であると言える。

 

 これは,地域で自分とつながりの深い人物を題材として取り上げたことが,「作るときの思いを伝えたい」という思いに有効だったと考えられる。また,相互支援することが考えを深めることに有効であったと考えられる。

2 結果の分析と考察 【昨年例】

 (質的変容より)

 小学部4年生において1学期の道徳で島の方の思いについて考えさせたプリントと,2学期の道徳で島の方の思いについて考えたプリントを比較してみると,1学期は「みんな」と対象が曖昧であったり「安全」や「元気」などに留まり具体的でなかったりしていたが,2学期になると,「島への思い」や「家族への思い」など視点が広がっただけでなく,その島への思いも「しまごはんをもっと買って島に来てほしい」やそこから「色々な施設を作り暮らしやすくしたい」や「ほかの商品を作りたい」など具体的な思いや発展した考えになっていて,周囲の人の思いを考えて発言したり記述したりする姿が育っていると言える。

 中学生においても「私の愛した小呂島に将来も希望を持たせ,守り継いでいきたい。」など島の現状を踏まえたうで将来についても考え発言する姿が見られるようになった。またこの取り組みは福岡市弁論大会においても準優勝という結果となり,豊かな対話力を認められた結果と言える。

テキスト ボックス: 1学期

(量的変容より)

小学部4・5年生において,「あなたは周りの人のことを考えて,自分の気持ちをしっかりと伝えることができますか。」という設問をした。1は「はい」2は「すこしはい」3は「少しいいえ」3は「いいえ」である。全員が1学期よりも肯定的に答えるようになり,「はい」の項目も大幅に上昇している。これは豊かな対話力が育った結果だと言える。

また,否定的に答えている子どもは学年の子どもの数が1名で,日々の授業で他の子どもとの関わりが少ないためと考えられる。

テキスト ボックス: 2学期テキスト ボックス: 1学期