教頭先生の授業を受けました(6年)
『地球規模の課題の解決と国際協力』の学習の一環で、青年海外協力隊に行ったときおはなしを聞き、その後、貿易ゲームをしました。
最初に教頭先生が、青年海外協力隊でパラグアイに行かれ現地の学校でお仕事をされていたときの様子や、人々の生活や食事などについて話をしていただきました。その後の貿易ゲームでは、「貿易」が世界の人々のくらしにどのような影響を与えているかを学んでいきました。子どもたちは、与えられた紙や文房具を使って図形を作っていきます。それを担任の先生にもっていくとお金に換えてもらえるというゲームです。
実はこのゲームには隠された意図、仕掛けがあるのです。渡されたハサミや定規は「技術」、鉛筆は「人材」、紙は「資源」を想定しており、渡される道具やその数はグループによって違うのです。はじめ子どもたちは、「線が書けません」「ハサミがありません」「紙がなくなりました」と戸惑います。良い国を作りたくてもどうにもできないこと、技術はあっても人材がいても資源がすぐに枯渇してしまうことなどを経験していきます。そのような中で、子どもたちは物々交換などの交渉を始めます。国連役の先生も、鉛筆「人材」を配ったり、ハサミ「技術」を渡したりします。ゲームが進行していくと、簡単な図形(製品)ほど市場にあふれてしまいますが、市場にあふれた図形(製品)の価格は値下がりし、少ない物の価格は高騰したことを知らせていきます。需要と供給の関係です。さらに、市場役の先生は、開発途上国を想定した国の審査を厳しくしてもらいます。フェアトレードの問題です。ゲーム後半には、世界全体に紙(資源)がなくっていきます。残された紙を有効に使おうという国も出てきます。SDGsの考え方です。このような意図があったことを、授業の最後に明かしていきました。
授業後の感想からは、社会の仕組み、国際協力の必要性、世界の課題に気づいた姿がたくさん見られました。世界には様々な諸問題がありますが、世界がよりよくなるためには何が大切なのか、子どもたちの視野を広げるひとつのきっかけになってくれたのではないかと思います。
