福岡市発達教育センター
調査研究
(平成21年度発達教育センター研究発表会)



非常勤研修員研究発表
第1分科会
交流及び共同学習の実施と評価に関する研究
〜「いっしょに楽しむ」交流をめざして〜
福岡中央特別支援学校  教諭 永島 論史
若久特別支援学校    教諭 宮ア 小百合
屋形原特別支援学校   教諭 佐藤 清美
本研究は,新学習指導用において,「交流及び共同学習」を計画的・組織的に行うことが位置づけられたことを受け,よ
りよい「交流及び共同学習」のあり方を追究するため,児童の実態をふまえ,個のニーズに合った学習内容を盛り込んだ
学習活動を計画し,交流相手校と連携して授業実践を行い,評価表をもとにその成果を検証するものである。
(研究報告書第62号より抜粋)
  
第1分科会アンケートより
記入内容 【記入者所属】
居住地校の交流授業で,特別支援学校の担任が授業を行うことの良さを知ることができた。相手校の子どもについての評
価を行い,インクルーシブな社会の実現に繋がれば良いと思う。
【特別支援学校】
高等部に入っても,こういう場や機会があればと感じました。高等部の生徒に余暇の過ごし方を聞くと,友達との関わり
についてはなかなか聞けないので,小中の時期における関係づくりは大事だと思いました。
【特別支援学校】
特別支援学校の担任がゲストティーチャーとして授業をすることにより,児童が自信を持って活動に取り組めるという点
に興味がわきました。交流相手校の児童の障がい理解などに関する実態把握が大きな課題になると感じました。
【特別支援学校】
居住地校の交流授業で,特別支援学校の担任が授業を行うことの良さを知ることができた。相手校の子どもについての評
価を行い,インクルーシブな社会の実現に繋がれば良いと思う。
【特別支援学校】
高等部に入っても,こういう場や機会があればと感じました。高等部の生徒に余暇の過ごし方を聞くと,友達との関わり
についてはなかなか聞けないので,小中の時期における関係づくりは大事だと思いました。
【特別支援学校】
居住地校交流においては,お互いに目標をはっきり伝え合うことが必要だと感じました。評価表は,活動後に短時間で記
入ができるようシンプルなものでよかった。評価表を続けることで,交流の場での児童の成長がはっきり見えてくると思
う。
【特別支援学校】
交流校の先生にも評価表を(交流先の児童の評価)作成してもらえば,双方に必要な交流及び共同学習になると思う。
【教育センター】
居住地校交流での評価表の設定は,とても参考になりました。
【特別支援学校】
毎回の交流の記録や交流校との反省会の記録を確実に残すことが,スムーズな実施に繋がると改めて感じました。
【特別支援学校】
小学校,特別支援学校での共通理解をした上での交流教育が必要だと感じました。
【特別支援学校】
「交流」の観点からの,より相手を意識した視点での目標設定も必要ではと思いました。交流全体のその児童の目標も,
評価表に載せておくと,より分かりやすくなるように思いました。
【特別支援学校】
交流前での,特別支援学校の子どもと交流校の子どもとをどうつなげるか,また,交流後の子ども同士のつなぎ方をどう
したらいいかと思いました。
【小学校】

第2分科会
通常の学級における特別な教育的支援のあり方に関する研究
〜「学校生活サポートファイル」の活用を通して〜
内野小学校  教諭 大櫃 玲子
当仁小学校  教諭 重岡 大志
堅粕小学校  教諭 島村 睦仁
片江小学校  教諭 宮原 広美
特別支援教育がスタートから2年が経過し,通常の学級に在籍する児童達の特別な教育的ニーズに対する認識が広がりと
深まりを見せてきている。今後,児童たちへの支援を,一貫性を持ったものにするための組織的な取組をさらに進めてい
くために,昨年度作成された「学校生活サポートファイル」の有効な活用法を検討してきた。学級担任,特別支援教育コ
ーディネーター,通級指導教室担当者という異なる立場でどのような取組ができるかを検証してきた。
(研究報告書第63号より抜粋)
 
第2分科会アンケートより
記入内容 【記入者所属】
今年度の取組を継続して行っていただき,その経過についてもお聞きしたいと思いました。
【特別支援学校】
小中学校でも,このようにまとめると引継ぎ時に大変分かりやすいと思いました。
【特別支援学校】
うまくいった支援や本人の特性など,保護者と共に話して,共通理解,共通支援できるとよいなと思いました。
【特別支援学校】
サポートファイルの内容の多さに驚きました。教育的重点項目として伝える方が良いのではと思いました。
【特別支援学校】
保護者の子育ての不安をサポートすることにつながっていけば,サポートファイルは有効なツールになると思いました。
学齢期のみならず,就学前〜学齢〜青年期と,支援を繋ぐツールとしても広がって行けばいいと思いました。
【関係機関】
児童の視点での困り感の記入や,得意なことの記入は,ぜひ取り入れてみたいと思いました。
【小学校】
学級担任として,すぐに役立つ内容でありがたかった。一つ一つの積み重ねの大切さを再認識しました。
【小学校】
各学校での細かい支援がわかり,大変参考になりました。
【小学校】
個人情報の管理に関するルールづくりについては,市情報公開室策定の「福岡市の個人情報保護」のガイドブックも参考
にになると思います。
【特別支援学校】
サポートファイルの具体物を見ることができたのがよかった。
【小学校】
教師が書く欄以外に,保護者が家庭での支援内容や家庭での様子などを書く欄があっても良いのではと思った。
【学生】
子どもの言葉で書く,子どもの視点に立つ,寄り添うことを,改めて意識できるツールだと思いました。
【小学校】
子ども側の言葉で書く,という点がとても参考になりました。
【特別支援学校】
サポートファイルは,学校に通う全ての子どもにとって,とても有効なものだと感じました。
【学生】
サポートファイルは,個人情報なので管理の大変さはあるが,その子をサポートする全ての人が,その子を理解できると
いう点で,とても有効なものだと感じました。
【学生】
担任の先生と多くの情報交換をしながら支援を続けていきたいと思いました。
【学生サポーター】
サポートファイルは担任の先生方に書いていただきたいと思っているが,担任にとっては,大きな負担感があります。
「担任の先生が保護者から理解を得るためのグッズとしても使える」という意見にヒントをもらえたように思いました。
【小学校】
本人での視点での記述に,背景にあるものも含めて記述できるようになれば,支援が点から線,そして面と広がっていく
と思いました。また,既存の個別の指導計画や巡回相談シートなどとの関係を整理するといったバックアップを教育委員
会にお願いしたい。
【小学校】
サポートファイルの存在をはじめて知りました。現在特別支援学校勤務ですが,小・中学校勤務になったときには,この
サポートファイルを活用したいと思います。
【特別支援学校】
サポートファイルが校内特別支援委員会の中で,とても大切な役割を果たしていることが分かりました。
【小学校】

第3分科会
特別支援学級における働く力を培う授業づくりに関する研究
〜自ら行動する力とコミュニケーション力を育てる支援の工夫を通して〜
長尾小学校  教諭 香月 弥代子
脇山小学校  教諭 大垣 琢磨
住吉中学校  教諭 辻  清香
特別支援教育がスタートから2年が経過し,通常の学級に在籍する児童達の特別な教育的ニーズに対する認識が広がりと
深まりを見せてきている。今後,児童たちへの支援を,一貫性を持ったものにするための組織的な取組をさらに進めてい
くために,昨年度作成された「学校生活サポートファイル」の有効な活用法を検討してきた。学級担任,特別支援教育コ
ーディネーター,通級指導教室担当者という異なる立場でどのような取組ができるかを検証してきた。
(研究報告書第64号より抜粋)
  
第3分科会アンケートより
記入内容 【記入者所属】
生活単元において,どのようなポイントで支援すれば良いかがよく分かりました。
【小学校】
本物の現場を体験する,学習することが,学ぶ子どもの側にとって,いかに効果が大きく意義あるものになり得るかが
理解できた。中学校の発表における,リーダーの育て方,指導の方法なども大変参考になった。
【特別支援学校】
具体的な企業の話が聞けて,とてもよかった。
【特別支援学校】
「フェスタでおしごと」「校外学習をプロデュース」の実践は,特別支援学校でも活用できそうだと思った。
【特別支援学校】
私たちは,子どもに働くことを考えさせると同時に,働く場所を開拓していくことが必要だと強く感じました。
【特別支援学校】
日常的な実践が必要だと思った。働くことだけではなく,休日に楽しむことが必要だと思った。また,就労の場を広げ
る必要を感じた。
【小学校】
子どもの興味・関心があるところに注目して,それを生かして授業を展開しているところがすごいと思います。
【特別支援学校】
働く力に,余暇を楽しむ【楽しみにする】力が必要であると考えています。
【特別支援学校】
小・中の段階から「働く」ことを意識させることで,日常生活においても伸びていく面が大きいと思います。
【特別支援学校】
働く意欲に「楽しみ」「余暇の過ごし方」が関係していることを初めて気付かされました。
【小学校】
働く力を【将来働くことを】意識して日々の学習を組み立てていくことは,子ども達に具体的な将来像が浮かび,また
意欲ややる気も育つのでとても大切と思いました。
【小学校】
小学校から,実際の職場で学習されているということは驚きでした。
【特別支援学校】
与えられたことはこなすけれども,自ら行動を起こすという課題に向かって校外学習を題材とする点は,すごく良いと
思いました。
【小学校】
つけたい力,支援の工夫をいつも念頭に置いて,日々の実践を行っていきたいと思いました。
【特別支援学校】
働くための3つの必要な力(自ら行動する力,基本的な生活習慣,コミュニケーション力)の大切さを改めて感じまし
た。
【特別支援学校】
中学校の先生の発表は,働いて楽しむということにも焦点があたっていて,とても印象に残りました。働くことが目的
ではなく,働いて楽しむことが目的になっていることが大切だと感じました。
【小学校】

第4分科会
「福岡市障がい児教育プラン」から「新しいふくおかの特別支援教育推進プラン(仮称)」への調査研究
〜「福岡市障がい児教育プラン」の成果と課題から〜
長期研修員 御ア 正人
本研究は,平成15年度から概ね7年の計画で推進されている「福岡市障がい児教育プラン」の現状を調査し,平成21
年3月に出された「新学習指導要領」と平成21年6月に出された「新しいふくおかの教育計画 〜「改革」と「共育創
造」〜 」をふまえた「新しいふくおかの特別支援教育推進プラン(仮称)」のあり方を探ることを目的としている。
(研究報告書第65号より抜粋)
  通常の学級における特別支援教育のあり方に関する研究(1年次)
〜支援を要する子どもへの支援の充実を図るための巡回相談の取組を通して〜
111111槻木 知子
長期研修員竹森 千峰子
111111青蛛@由美子
福岡市の事業である巡回相談・専門家チームは,通常の学級に在籍するLD(学習障がい),ADHD(注意欠陥多動性
障がい),高機能自閉症等の発達障がい児への教育的支援を実施している。本研究では,巡回相談・専門家チームによる
学校支援を通して見えてきた現状から,支援を要する子どもへの支援体制を推進していくために必要な条件を探っていっ
た。
(研究報告書第66号より抜粋)
 
第4分科会アンケートより
記入内容 【記入者所属】
目の前の生徒のことばかり考え,全体的なことがあまり見えていなかったので,全体的な大きな視点から考える良い機会
になりました。
【特別支援学校】
特別支援教育をとにかく広めることが大切だということを改めて考えさせられました。
【関係機関】
理解啓発,広報など,特別支援教育について広く知らせていくことが重要であることを改めて感じました。
【特別支援学校】
それぞれが理解し合い,共通認識を持つことの重要性に気付かされる内容でした。
【特別支援学校】
巡回相談の引継ぎシートやエピソード記録シート,学級づくりに必要な条件の用紙は,具体的で現場に持ち帰り,すぐに
でも全職員で使用してみます。
【中学校】
引継ぎシートがさらに深まり,利用されていき,そのうち福岡市のシートとして確立されていくといいなと思いました。
【特別支援学校】
興味深い内容でした。教師自身が視覚的に見て,分析できるもので,参考にしたいと思いました。それぞれの方法で引き
継いではいるのですが,実際の指導場面でどれだけ生かされているだろうかと感じるのが現状ですので。日常的な記録を
引継ぎシートにしていけら,本当に理想的だと思いました。
【特別支援学校】
今回のシートを市内学校全てで使い始めれば大変有意義だと感じるのですが・・・。難しいのでしょうか。
【特別支援学校】
巡回相談という言葉は聞いたことがあったが,内容などよく知らなかったので,勉強になりました。
【特別支援学校】
普通学級で悩んでいる先生達に教えてあげたい内容でした。
【特別支援学校】
広い視野を持つことの大切さを再確認しました。
【特別支援学校】
事務的な仕事を減らすなどの発想はありがたいと思いました。
【特別支援学校】
引継ぎシートを発達教育センターのホームページからアクセスして使えるようにしていただけると大変有難いです。
【小学校】
引継ぎシートは,細かすぎず,大事な情報だけ記入できるようになっていて,見やすく,とてもよいと思う。
【特別支援学校】
「支援をつなぐ」という言葉が印象に残り,非常に重要なことだと感じました。引継ぎシートと同時に,連絡を取り合え
る体制も必要だと感じました。「支援をつなぐ」という考えは,教育の全てにおいて関わってくる重要な要素だと思いま
した。
【学生】


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