4学年 国語「本は友達」

〜読書へのアニマシオンの実践〜 

○はじめに

 子どもたちの読書意欲を高め、その質を高めていくために「ブックリスト」を活用し、読書の幅を広げる方法として読書へのアニマシオン「一緒のほうがうまくいく」の実践を行いました。

 

1.主 題 4学年 国語 「本は友達」  

 

2.題材名 読書へのアニマシオン「一緒のほうが、うまくいく」

 

3.目 標 

 ○ 読書の秋の活動として、アニマシオンの「一緒のほうが、うまくいく」を通して、本を探して読み広げることができるようにする。

 

4.題材設定の理由

 ○ 本学級の子どもたちは、本を読むのが好きである。担任の読み聞かせやお話レストランを楽しみにしており、朝の読書タイムも自分の読みたい本を静かに読んでいる。しかし、読書傾向を見てみると自分が好きな本のシリーズものに偏っている子どもが少なくない。また、「どんな本を読んでいいかわからない。」「読みたい本が見つからない。」などの理由から、図書館に日常的に足を運んでいない子どももいる。これは、日常の読書において、考えの広がりや深まりをあまり感じることができなかったり、読書をしたい気持ちはあってもきちんと読んだりした経験が少なかったことが原因になっていると思われる。

 ○ 学習指導要領には中学年の読書について、「読書を通して自分の考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる」ことが目標にされており、自分の考えを広げたり深めたりしようとするために、読書の幅を広げて読むことに主眼が置かれている。つまり、今までの読書で得た力を踏まえて、読んだ文章について感想や意見をもつことができることや、ものの見方や考えが深まることができることがねらいとなってくる。そのために、今までの自分の読書生活を振り返らせ、本を読むことによって新しい知識を得たり、自分ではできない体験をしたりできることに気づかせ、いろいろな本を読んでみようという意欲をもたせ、進んで読書しようとする態度を育てることが大切である。

そこで、アニマシオンの手法を使い、いろいろな作品のおもしろさにふれ、作者の述べたい内容に目を向けて読書する楽しさを共に体験することで、子どもたちは自分から主体的に読書活動に関わり「読み手」として成長できると考える。

 ○ 指導にあたっては、読書の秋の活動としてブックリストにある本の中からアニマシオンをすることを事前に知らせる。(ブックリストは、福岡市研究委員会作成)選書にあたっては、読書の幅を広げていけるよう、子どもたちがあまり手にしないような詩の本(8分類)や科学的な読み物なども入れる。 

 本時では、「一緒のほうが、うまくいく」(作戦63)というアニマシオンをする。これは、  〈書名〉〈主人公〉〈その本の印象に残る一節〉という本に関する3つの手掛かりをばらばらに  与えられた子どもたちが、同じ本の仲間を探して3人組になるものである。

 はじめに、子どもたちに読んで欲しい作品8冊をブックリストの中から選んでおく。それぞれの本について、〈書名〉〈主人公〉〈その本の印象に残る一節〉の3種類のカードをクラス全員に一枚ずつカードが行き渡るよう用意しておき、子どもたちが図書館に集まったら、一人に一枚ずつカードを配る。次に、互いに尋ね合って自分と同じ本についてのカードを持つ仲間を探し、3人組をつくる時間をとる。もしもわからないときには実際に本を手にとって確かめていいことを知らせる。全員が組になったようなら、時間を打ち切って全員を集める。

そして、各組カードを読み上げてもらい、3組のカードの組み合わせが正しいかどうかを交流する。この時、カードの組み合わせを間違っている組が2,3組なら図書館のブックリストの本コーナーでもう一度調べて考えるように言う。

そして、これらの作品について、それぞれの本の紹介を行い、作品や主人公、印象に残った一  節について交流する。

 

期待される児童の反応

・自分の作品がちゃんと合ってるか心配だったけれど、友達と協力しながら見つけることができてよかったです。

・今まで読んだことがなかったけれど、友だちとの交流でおもしろそうだと思いました。

・シリーズのほかの本も読んでみようと思います。

 

5.本 時                       

  平成19年10月15日(月)

 

6.準 備

  3種類のカード〈書名〉〈主人公〉〈その本の印象に残る一節〉

7.展 開

学習活動と内容

指導上の留意点及び支援

1 めあての確認をする。

  めあて

本は友達、いろいろな本を読んでみよう。

 

2 作戦63

 「一緒のほうが、うまくいく」を行う。

○ 担任を囲むようにして、子どもたちを座らせる。      ○〈書名〉(主人公〉〈その本の印象に残る一節〉の

カードを一人に一枚ずつ配る。

   例:「エルマーの冒険」では

    書名 エルマーの冒険  

    主人公 エルマー

       その本の印象に残る一節

りゅうは、ぐるぐるはしりまわり、

それから、ちゅうがえりをしました。

 

 

(1) 互いに尋ね合って、3枚のカードがそろうように3   人組をつくる。

○ カードを見せ合いながら同じ本の仲間を探して3人組をつくらせる。

 

(2) 各グループの作品について話し合う。

○ 全員が組になったら、時間を打ち切って全員を集める

○ 組み合わせが正しいかどうか交流させる。

 

3 アニマシオンの感想を出し合う。

○ 作品についての紹介を3人組でさせていく。

・印象に残る一節について

・おもしろいと思ったところ

・初めて知ったことなど

○ もう一度読んで見たくなった作品について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

選んだ作品

1「エルマーのぼうけん」

2「あらしのよるに」

3「車のいろは空のいろ」

4「盲導犬クイールの一生」5「ファーブル昆虫記」

6「龍の子太郎」

7「のはらうた」

8「秋の星座と星座物語」

 

 

※わからないときには、実際に本を手にとって探してよいことを知らせる。

 

※図書館の本を見れば答えが出せそうな時は、もう一度調べて考えるさせる。    

 

 

※3人組の子どもたちがその作品についてうまく紹介できないときには周りの子どもが紹介してもよいことにする。